親愛なるスコットへ。
400ドルを君の管理人のところへ送ったよ。その金は、君が持っていてもいいし、ハロルドスターンズにくれてやってもいい。君は素敵な手紙を書く。誰かさんが、私より文章が下手なのは喜ばしいことだ。
確かに、私はハロルドウェールズを知っているよ。彼はかつては、ゴールドフィンガーのバーテンダーをしていたが、1918年に、どうにかして新聞記者になったんだ。その時は、どんな新聞記者でさえどこかしらで職に就くことができたものだよ。彼は1918年に、オートバイ事故(だったはずだと思う)で破産したんだ、それから、独学でフランス語の読み書きと会話を学んで、くそみたいに立派な新聞記者だ。最初にあった時は私はいけすかない奴だと思ったものの、今では他のどんな新聞記者より好感を持っているよ、まあ、ビル・バードとヒックコックを除いては、だがね。ハンクは和平会議の最中に、驚くほど素晴らしい話を披露してみせ、ある日、ハウス大佐が彼に言った。
「ウェールズ、君はどこでそんな話を手にするんだ?」ハンクはユーゴスラビアの油田を、日本がどこかにあげてしまった。「ハウス大佐」ハンクは言う。
「シカゴ・トリビューン誌の求めている話は事実じゃありません、目新しいことを求めているんですよ」
でもスコット、どうしてハンクについて尋ねるんだ?彼はまともなマナーも身に付けていないどころか、見た目も振る舞いもひどいものだ。私が彼に強い好感を抱くのは、彼が私のことを好きだからだろう。だから、彼が元はバーテンダーだったみたいな情報は全てここだけの話にしてくれ。彼はまた巧みにサルどもを手なずける。
君のI.O.T.の評価には、とても楽しませてもらった。私がそれをどのように気に入っているかというと、読み返すことなく、最高だ。(『二つの心臓を持つ大河』『インディアン・キャンプ』『季節外れ』の最初の作である「そして最後の」『戦士の帰るところ』)いや、私はそれらの作品をグループ分けすることはできない。でも、どうして君は『老人』をはずしたのだ?これはいい作だと、私には思える。(そのつもりはなかったのだが、結果としてそうなった)これは、また別のカテゴリーの作品だ。闘牛の話で、50000ドルの値打ちがある。その手のものは、私には書きやすいのだよ。
『雨の中の猫』は、ハドリーについて、ではない。私は、君とゼルダがずっとそう思っていたことは分かっている。私がそれを書いた時、我々はラパロにいたが、ハドリーはバンビ―といて、妊娠4か月だった。
tuduku